「○○然とした」という言葉を聞くことがありますが、これは一体どんな意味なのでしょうか?
例えばですが、
「紳士然とした態度で…」
「母親然とした様子で…」
などと言う場合、この「然」の意味や読み方とは?
「○○然とした」とは?
「然」という言葉には、元来「そのまま」「そのとおり」といった意味があります。
よって、「然」という言葉が「○○然とした…」といった感じで名詞にくっついて使われる場合、
「いかにも○○のような様子であること」
などの意味になります。
読み方は、「○○ぜんとした」です。
例えば、「彼は紳士然とした態度で…」と書かれていたらとしたら、
「まるで紳士のような態度・振る舞いで」
「いかにも紳士のような態度・振る舞いで」
などの意味を表すことになります。
その人が本当に紳士かどうかはわからないが、その人の見た目や態度、立ち振る舞いなどから、いかにも紳士っぽい!というニュアンスです。
逆に、「彼は紳士然としていない」という否定形で書かれていたらどうでしょう。
この場合は、その人は本当は紳士なのかもしれないが、見た目や態度、立ち振る舞いなどが全く紳士らしくない!というネガティブな意味になります。
つまり、「然」という言葉には、
・そのものが持つ本質・本性
といった意味が含まれているといっていいでしょう。
「貴族然とした」
=いかにも貴族のような様子・態度で
「学者然とした」
=いかにも学者のような様子・態度で
「母親然とした」
=いかにも母親のような様子・態度で
もちろん、人ではなく物にくっつていて使われる場合もあります。
意味やニュアンスなどは、最終的には文脈判断となりますが、もし迷ったら、
「いかにも○○のような」
という訳語を当てておけば問題ないでしょう。
「自然」の意味
余談ですが、「然」が使われる言葉として一般に有名なのは、「自然」でしょう。
「自然」には、何も森や山、海、川といった景色・風景を指し示すのみでなく、
「本来あるべき姿」
といった意味があります。
自然は、私たちが生まれてくるずっと前からすでにそこにあり、その時点ではまだ何も手を加えられていない状態、ありのままの姿で存在していたといえます。
そうしたことから類推するなら、例えば、「貴族然とした姿」と言う場合、
・貴族であれば本来そうあるべき、貴族の本来の姿
というニュアンスも出てくるのだと思います。
私たちにはそれぞれ、社会的に与えられた「役割」というものがあると思います。
例えば、母親としての役割、教師としての役割、学生としての役割、などがそれです。
その役割を全うしていく上では、
「本来その役割とはどのようなものであるべきなのか?」
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