たくさんの折り鶴がつづられた千羽鶴。
3.11の震災以降、千羽鶴が贈られることは減ってきてはいますが、それでも今なお、入院者への贈り物などによく用いられています。
もっとも、そもそもこの千羽鶴にはどのような意味があるのでしょうか?
千羽鶴を贈る意味とは?
鶴は、「鶴は千年、亀は万年」と言われるように、昔から縁起のよい鳥として知られています。
「鶴を1羽折るたび寿命が1年延びる」
という言い伝えもあるほど、長寿・健康のシンボルとして多くの人に親しまれているのです。
そんな折り鶴は贈り物にはピッタリで、よく折り鶴を千羽折り(=千羽鶴)、入院者などへのお見舞いとして贈られています。
なぜ1000羽折るのか?というと、
・「鶴は千年」だから
という単純な理由や、
・「千=たくさん」であり、それだけたくさんの人の想い(願い)がこもりやすいから
という理由などがあります。
鶴を千羽折ろうと思ったら相当の時間がかかり、相手のことを想う気持ちが強くなければ途中で心が折れてしまうので、それだけ「想い」がこもりやすいといえます。
もっとも、この「千」という数字には明確な根拠はなく、
・とにかくたくさんであればいいという説
・700羽くらいでもいいという説
などもあります。
「700折る=治る」ということで、入院者などに贈る場合は700羽の方がむしろご利益があるかもしれません。
また、「鶴=長寿のシンボル」という意味以外にも、広島の原爆で被爆した佐々木禎子さんが自身の延命を祈って鶴を折り続けて以来、
・鶴=反核(平和)のシンボル
とも捉えられるようになりました。
毎年原爆の日には世界中からたくさんの千羽鶴が贈られてきており、反核・平和が訴え続けられています。
なぜ「鶴」を折るのか?
しかし、なぜ「鶴」なのか?という点については、その明確な根拠・起源などは明らかになっていません。
「鶴は千年、亀は万年」なら、「亀」を折ってもよさそうなものですが、昔から一貫して「鶴」が折られています。
・鶴は大空に羽ばたくから
・鶴は明るい色をしているから
など、さまざまな意見がありますが、どれも明確な根拠があるものではありません。
もっとも、折り鶴を折る習慣が定着したのは前述の佐々木禎子さんの件以来と言われているので、今日では、
・佐々木禎子さんが折った鳥だから
と説明することができるのかもしれません。
千羽鶴の色に意味はある?
千羽鶴は、虹のように多くの色を連ねたり、多くの色をバラバラに使ったりしますが、これも特別な意味はありません。
もっとも、入院者などへ贈る場合、あまり暗い色を使うのは好まれないでしょう。
グラデーションの一部としてならかまいませんが、例えば黒と白だけで千羽鶴を折るなど、あまり偏ったものにはしない方がいいです。
人によっては「弔い事」を連想することもあります。
その他、一部では使ってはいけないと言われている色も存在します。
※関連記事:千羽鶴の色の組み合わせは?使ってはいけない色がある?
ただし、黒や茶、灰色など、あえて暗めの色を使うことはないとしても、それ以外の色についてはあまり気にする必要はないと思います。
今回のまとめ
千羽鶴には想いがこもりやすいことから、今日では合格祈願やスポーツの応援など、さまざまなものに用いられるようになりました。
入院者へのお見舞いとして贈るなら、
・重くなりすぎないか
・迷惑ではないか
などをよく考える必要がありますが、贈る側の気持ちのこもった千羽鶴なら、これほど嬉しい贈り物もありません。
ぜひ大切な人、応援したい人などに気持ちを込めて贈ってあげてくださいね。
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