小学校への携帯電話・スマホの持ち込みはこれまで原則禁止されていましたが、最近は時代の変化もあり、徐々に容認する学校も増えてきているようです。
もっとも、無制限に認められるわけではなく、学校に持ち込み申請書を提出し、許可をもらうことが条件となっている学校が多いようです。
そこで今回の記事では、小学校への携帯電話・スマホ持ち込み許可証の申請理由について考察してみました。
申請理由とともに、例文も取り上げているのでぜひ参考にしてみてください。
なお、携帯電話・スマホの必要性は中学校や高校でもそれほど変わらないと思いますので、中学校・高校へも応用可能です。
小学校への携帯電話・スマホ持ち込み申請理由
それでは、小学校への携帯電話・スマホ持ち込みの申請理由について見ていきます。
許可が下りやすいと思われる順に並べていますので、ぜひ参考にしてみてください。
①防災・防犯のため
防災・防犯目的は、文科省も「やむを得ない理由」の例として挙げているものの1つです。
小学校への携帯電話持ち込みは、やはりさまざまなリスクを踏まえると原則としては禁止で、「やむを得ない理由」がある場合に限って許可する、という運用が多いようです。
防災とは、例えば登下校の途中で地震などが発生した場合を想定していて、携帯電話を持たせていればすぐに子どもと連絡をとり、安否確認をすることができます。
防犯も同様で、例えば子どもを狙ったストーカー被害、連れ去りなどが想定されています。
最近は危機意識が高まっているという時代背景もありますし、また登下校中というのは学校側の監視が及ばない領域でもあります。
そのため、防災・防犯目的のためなら学校側も持ち込みを認めざるをえず、最も許可が下りやすい理由と言って差し支えないでしょう。
昨今、私たちの県ではいつ地震が発生してもおかしくない状況ですし、子どもの通学路はハザードマップ上で土砂災害の警戒区域に指定されています。
家から学校まで多少の距離があることを踏まえましても、有事の際はすぐ連絡をとれるように、子どもには携帯電話を持たせたいと考えています。
学校では一切使用せず、カバンにしまっておくよう指導しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
子どもの通学路は見通しが非常に悪く、薄暗い場所も多々あります。周りに店舗や住宅なども少なく、過去には不審者が目撃されたり、ストーカー被害も発生していると聞きました。
スマホにはGPS機能もついていますし、何かあった時にはすぐに連絡をとれるよう、子どもには携帯電話を持たせたいと考えています。
学校ではカバンから一切出さないようにさせ、もしくは預かっていただてもかまいませんので、持ち込みの許可をいただけますようお願いいたします。
②通学時間が長くなるため
学校までの距離が遠かったり、バスや電車などの公共交通機関を利用しなければならなかったり、最寄り駅までの距離が遠い、といった理由から携帯電話・スマホが必要な場合もあります。
例えば迎えが必要な日などは、ある程度リアルタイムで子どもの現在地や迎えの時間を確認する必要がありますし、仕事などですぐには迎えに行けない場合は、どこかで待っていてもらう必要もあるでしょう。
また、バスや電車などを利用する場合は、事故などに巻き込まれる可能性、遅延が発生する可能性もあります。
これらは「緊急連絡手段が必要」という点では①と通じる面があり、許可が下りやすい理由の1つといえるでしょう。
貴校へは電車を乗り継いで通わなければなりませんので、何かあった時のために子どもには携帯電話を持たせたいと考えています。
○○線は定期的に遅延も発生しますし、その場合帰りも遅くなってしまいますので、子どもの現在地を把握するためにも携帯電話が必要です。
学校では使用しないよう言い聞かせますので、どうぞよろしくお願いいたします。
家から最寄り駅までは結構な距離があり、帰りが遅くなった日や雨の日などは迎えが必要になります。
私は日中働いており、子どもが帰ってくる時間に必ずしも迎えに行けるとは限りませんので、子どもには携帯電話を持ってもらい、随時連絡を取り合う必要があります。
携帯電話はあくまで連絡手段としての使用に限定し、学校ではカバンから出さないよう言い聞かせますので、どうぞよろしくお願いいたします。
③塾や習い事などに行くため
学校が終わったら直帰せず、そのまま塾や習い事などに行く子どもが最近は増えています。
塾や習い事の終了時刻が明確に決まっているならいいですが、そうではない場合、終わり次第電話してもらって、電話が来たら迎えに行かなければなりません。
また、塾や習い事が終わる時間には日も暮れ、辺りが暗くなっているということも多いです。
もっとも、塾や習い事の先生から電話してもらうことも不可能ではないですし、そういう意味では①や②の理由よりは少々理由として弱いと言えます。
これは学校側がどのくらい強く禁止しているかにもよりますが、場合によっては①や②に引き付けて書いたほうがいいかもしれません。
子どもには学校が終わった後習い事に行かせていますが、距離的・時間的なことを考えて、学校が終わった後そのまま習い事の教室に向かってもらうようにしています。
習い事が終わるころには辺りも暗くなりますし、私も仕事の都合上、すぐに迎えに行けるとは限りませんので、子どもには携帯電話を持たせ、適宜連絡を取り合いたいと考えています。
学校では必ず電源を切り、カバンにしまっておくよう指導いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
学校へのスマホ持ち込み・リスクやデメリットは?
小学校への携帯電話・スマホの持ち込みが基本的には禁止されていることからもわかる通り、子どもにスマホを持たせることにはやはりリスクやデメリットもあります。
文科省の資料にも挙げられていましたが、例えばSNSやネット掲示板を通じて犯罪やトラブルに巻き込まれてしまったり、高額課金、アダルトサイトの閲覧といったリスクもあるでしょう。
また、学校でスマホをいじる子どもがいると、スマホを持っていない子どもとの間で格差が生じてしまうことになり、やはりいじめやトラブルの原因になります。
子どもにスマホを持たせる場合でも、こうしたリスクにはしっかりと対処する必要があります。
機能が制限された「キッズ携帯」を与えるというのは1つの手でしょうし、一定のサイトへのアクセスを禁止するフィルタリングを設定するという手もあります。
また、そもそも子どもにスマホに触れさせること自体、子どもにとって悪影響を及ぼすリスクがあります。
スマホを開発した当の本人、スティーブ・ジョブズが子どもにiPhoneもiPadも触らせなかったのは有名な話かと思いますが、それ以外にも、そうしたテクノロジーを開発する側の人間に限って、子どもにスマホを触れさせていないそうです。
子どもというのは脳がまだ発育段階にありますので、その時期にスマホに触れさせると、脳がスマホに最適化していまい、健全な心身の発育に影響が出る可能性があります。
これが大人なら、スマホに依存気味でもしばらく時間を置けば、また脳が元通りになったりするのですが、子どもの場合はそうはいきません。
スマホに触れることのさまざまなリスクについては、2021年の大ベストセラー「スマホ脳」でも話題となりましたので、もしまだ読んでいなければぜひ読んでみてください。
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