連休や夏休みなどに中学生の子どもが友達の家にお泊まりに行きたいと言い出した場合、年齢ならではのさまざまな不安要素を考えると、親としてはやはり禁止したいという心情に駆られます。
一方で、仲のいい友達と近い距離で触れ合い、寝食を共にするというのは、思春期の年頃において代えがたい経験にもなります。
今回の記事では、中学生のお泊まり会のリスク(デメリット)をあげた上で、禁止すべきか?許可する場合どのようなことに気をつけるべきか?といった点についてお伝えいたします。
中学生のお泊まり リスク(デメリット)は?
まず前提として、そもそもお泊まり会自体が学校によって禁止されている場合もあるようです。
校則で禁止されている場合は稀かもしれませんが、例えば学期末にもらえるプリントに記載してあったり、ホームルームなどで先生から伝えられている場合もあるでしょう。
このような禁止がどこまで正当性を持つか、また効力を持つかは定かではありませんが、学校が一応禁止しているのであれば、親としても子供に禁止するのが筋といえるでしょう。
以下からは、それ以外のリスク(デメリット)をあげていきます。
①友達のお宅にとって迷惑になる
まず考えられるのは、友達のお宅に迷惑をかけてしまうかもしれない、という点です。
お泊まりは、単に遊びに行くのとは訳が違い、例えば夕食やお風呂などまでお世話になる場合が多いでしょう。
そもそもこれらを提供してもらうこと自体、厚かましいと感じられる方もいるでしょうし、家庭によってご飯やお風呂、就寝などのルールは違いますから、思わぬすれ違いや迷惑が生じる可能性もあります。
これは後の「許可する条件」のところでも述べますが、ご飯やお風呂はあらかじめ済ませた上で、お泊まり会に行かせるというのは一つアリでしょう。
ご飯やお風呂もお泊まり会の醍醐味の一つではありますが、このようにすれば迷惑という点では多少軽減されます。
また、次回は逆に自分のお家に遊びに来てもらうという関係を築くのも、「迷惑はお互い様」の関係としておすすめができます。
②男女混合のお泊まり会
もしお泊まり会が男女混合である場合、中学生という思春期真っ只中であるということを考えると、やはり何かと不安は消えないものです。
このような場合であれば、例外なく「禁止」と言ってしまう親御さんも多いと思いますし、子供も納得する場合が多いでしょう。
これも後の「許可の条件」のところで述べますが、お泊まり会に行かせる際はメンバー構成を確認するのがベストです。
③夜遊びの危険
仲のいい友達同士で集まれば、「赤信号みんなで渡れば怖くない」のノリで、夜の街に繰り出してしまうこともないとは言い切れません。
その先で思わぬ事件やトラブルに巻き込まれてしまう可能性も、やはりないとは言えないでしょう。
これを回避するには、泊まりに行った後、そのお宅から出ないように条件を付けることです。
友達のお母さまには子供たちが出かけないようしっかりと見張っていてもらう、友達のお母さまからも子供たちに言い聞かせてもらうなど、相互の連携が必要でしょう。
こうした点からも、やはり親同士が交流のある友達のお宅のみ許可するというのが望ましいと言えます。
④アルコールやタバコなど
これも集団心理が働き、手を出してしまう可能性がないとは言い切れません。
こればかりは法律で禁止されているものですので、絶対に避ける必要がありますし、もし学校に伝われば問題も大きくなります。
これについても相手方のお母さま等と連携をとり、そうしたものを目につくところに置いておかないようにしてもらう、持ち込んでいないかチェックしてもらうなどの対策を講じてもらう必要があるでしょう。
中学生のお泊まりは禁止すべき?許可すべき?
以上を踏まえて中学生のお泊まり会を許可するべきか否かは、やはり上記リスクをどこまで考慮するか、もしくは家庭の教育方針によるでしょう。
それぞれの項目で述べた対策をしっかりと講じ、また子どもにあらかじめ言い聞かせた上で、あとは子どもを信じて許可する、という結論になる親御さんも少なくないでしょうし、他方で、メンバーの構成や子どもの過去の行いなどを踏まえれば、やはり行かせられないという結論になる親御さんもいるでしょう。
いずれにしても、まず子どもには以下の事項を確認するといいでしょう。
□誰のお宅に遊びに行くのか?
□向こうのお母さま等は在宅しているのか?
□お泊まり会のメンバーは誰か?
□お泊まり会では何をする予定か?
□集合時間や解散時間
□ご飯やお風呂はどうするのか?
この中でも、もし①全く見ず知らずのお宅であったり、②その時間帯親御さんは在宅しておらず、子どもだけになってしまう、③男女混合のお泊まり会、などの場合は、その時点で「許可しない」という方向に傾かざるをえないでしょう。
そして、もし許可する場合でも、以下のような条件を付けるのが望ましいといえます。
□向こうのお宅に迷惑をかけないこと・向こうのお宅のルールをしっかりと守ること
□ご飯の準備などを手伝うこと、また解散する時はみんなで掃除をしてくること
□家の中で大人しく遊び、夜に外出したりしないこと
□夜○○時以降は静かに過ごすこと・騒いでご家族や近隣に迷惑をかけないこと
□以上が守れなかったら次はお泊まり会を禁止にするということ
さらに、向こうの親御さんと連携をとり、これらを徹底させるためにも、もし連絡先を知らなければ事前に把握しておくようにしたいところです。
中学生のお泊まり 禁止する場合でも方針や理由を伝えて
中学生のお泊まりについては、ネット上でもかなり賛否が分かれるところで、断固として禁止するという親御さんもいれば、子どもの自由に任せ、ほぼ何も気にしないという親御さんもいるようです。
今回紹介したリスクや対策などを踏まえても、やはり禁止したいという場合、子どもにはしっかりと理由や家庭の方針を説明するようにしましょう。
「よそはよそ、うちはうち」というだけではなかなか納得してくれませんし、子どもとしては理不尽に感じられます。
子どもは大人以上に理不尽に弱いものです。
「なんでみんなはお泊まり会するのに、自分だけ…」という想いが募ると、社会からの疎外感を感じたり、思春期の人格形成に歪みが生じる場合もあります。
また、基本的には仲のいい友達同士、部活の仲間同士などでお泊まり会をする場合が多いでしょうから、自分だけ行けないと、その後なんとなく友達と距離が離れていったり、「仲間外れ」にされるということもありえます。
そうしたことを踏まえても、しっかりと子どもと向き合い、親身になって家庭の方針などを伝え、納得してもらうのがベストといえます。
今回の記事が子どものお泊まりについて考える上で参考になれば幸いです。
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