子どもが通うことになる小学校・中学校は、基本的に住所によって決められています。
ある小学校・中学校の学区内に住所があれば、基本的にはその学区の小学校・中学校に通うことになるでしょう。
もっとも、特別の理由により学区外・区域外の学校に通わなければならない場合もあり、そのような場合を学区外通学・区域外通学といいます。
今回はそんな学区外通学・区域外通学の申請理由・書き方についてまとめてみました。
なお、他の学区の小中学校に入学する、いわゆる「越境入学」については、今回のページの対象からは除いています。
学区外通学・区域外通学の申請理由
子どもが通うことのできる公立の小学校・中学校は、基本的には住所に基づいて決められており、学区外・区域外の学校に(一時的に)通うためには、特別の理由が必要です。
当然ではありますが、「あの学校のほうが先生・設備などがよさそうだから」といった理由で学区外・区域外通学が認められることはほぼないでしょう。
学区外と区域外の違いについては、拙い図で恐縮ですが、以下のようになっています。
地域によって多少の違い・呼び方の違いはあるかもしれませんが、基本的には学区を外れれば「学区内」、市町村などをまたげば「区域外」ということになるのだと思います。
いずれにしても、学区外の学校に通うためには特別の理由が必要なわけですが、特別の理由の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
学区外通学・区域外通学の申請理由の書き方
学区外通学・区域外通学の明示的な申請要件のいずれにも当てはまらない場合でも、「その他の場合」として申請が認められる場合があります。
「その他の場合」とは、例えばいじめや不登校などです。
いじめにより現在の学校への通学が困難となっており、学区外通学を認めればその状況が改善される見込みがある場合などは、その典型例といえるでしょう。
もっとも、いじめがあれば確実に認められるというものでもなく、「その他の場合」に該当するかどうかは、通常教育委員会との協議結果なども踏まえて審査されます。
この点、上記で言うところの①~④の場合は、申請要件に該当し、かつそれを証明する書類を提出しさえすれば基本的には許可されると思いますが、「その他の場合」は、結構教育委員会などの裁量が大きそうです。
いじめや不登校以外にも、例えば部活動に関する必要性など、申請書類の書き方によっては認められる場合もあるのかもしれません。
いずれにしても、申請書類に申請理由を(文章などで)書く際は、できる限り説得的に、学区外通学の必要性を訴えかける文章を書くことが求められるでしょう。
こう書けば必ず認められるというものでもないですが、現在の状況が深刻であるということに加え、環境が変われば状況が改善する見込みがあるということも記載するといいでしょう。
息子は現在○○中学校のクラス内でいじめにあっており、最近は精神的なストレスから学校に行きたくないという日も増え、自宅に引きこもりがちになっています。
クラスに味方になってくれる子が一人でもいれば、また状況は変わってくると思うのですが、息子は人付き合いが苦手で、今のクラス内に友達と呼べる子は、私が知る限りでは存在していません。
この点、学区外の○○中学校であれば、小学校が同じだった友達が何人かいますし、学習塾で知り合った仲のいい友達もいて、息子としても安心して学校に通えますし、もしまたいじめにあっても、その子たちが心の支えになってくれるはずです。
息子も学区外通学を強く希望していますし、私自身も、このままだと卒業まで不登校になってしまうのではないかとも危惧しており、将来のための学習を継続していくためにも、ぜひ学区外通学のご許可をいただきたく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
学区外通学の裏ワザはある?
学区外通学・区域外通学を認めてもらう裏ワザがないかは気になるところですが、例えば地元のコネを使うなどといった方法は考えうるとしても、
「これをやれば確実」
といったものは存在していないと思っていいでしょう。
もし仮に法律に引っかかるようなことをしたとしたら、後からバレたら大問題になります。
裏技というわけではありませんが、昨今いじめや不登校などが社会的に大きな問題となっており、教育委員会としてもその対応に追われていると思います。
そのため、もし学区外通学によってそうした状況が改善されることが見込まれるのであれば、ある程度は許可が下りやすい、世間の流れにはなっているといえるでしょう。
もちろん、存在しない状況をでっち上げるといったことはあってはなりませんが、ある程度深刻な感じで必要性を訴えることは、許容範囲内といえるかと思います。
今回のまとめ
以上、学区外通学(区域外通学)の申請理由の書き方についてでした。
色々と書いてきましたが、まずはお住いの地域のホームページの情報を熟読した上で、両学校や役所の窓口に相談し、地域の方針に沿ったやり方で申請を行うのが一番だと思います。
学区外通学を含め、子ども自身が希望し、健やかに成長していける環境で学びを続けられることを祈っています。
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