学校の課題や卒業文集などで、よく「将来の夢についての作文」が課されます。
こうした作文に取り組むことで文章力や表現力が養われますし、将来の自分について考えるきっかけにもなるでしょう。
学校側や先生としても、やはり生徒たちにはなんらかの夢や目標を持って学校生活・今後の人生を送っていってほしいと思っているはずです。
そこで今回の記事では、そんな将来の夢についての作文の書き方やポイント・例文についてまとめてみました。
「将来の夢が見つからない」
「書き方がわからない」
「内容が思いつかない」
とった皆さんには必見の内容となっています。
将来の夢の見つけ方まとめ
「将来の夢についての作文」といっても、将来の夢が明確に決まっていたり、将来の自分が明確に見えているという人は、おそらく少数派でしょう。
そこでまず、将来の夢を見つける方法・具体化する方法について考察していきたいと思います。
将来の夢がそもそもなかったり、あるけどかなり漠然としている、という人はぜひ参考にしてみてください。
①憧れや尊敬から見つける
これまで出会ってきた人の中で、
「この人かっこいいな」
「この人みたいになりたいな」
という人がいれば、そこに将来の夢を見つけるヒントが隠されています。
それは学校の先生かもしれませんし、よく行く病院の看護師さんかもしれませんし、はたまた自分の両親かもしれません。
実際に会って関わった人のほうが具体的なエピソードは書きやすいと思いますが、もちろん歴史上の人物やテレビで見た著名人などでもかまいません。
「あの人みたいになりたい!」
というのは立派な将来の夢になりえます。
②「好き」や「楽しい」から見つける
特に趣味や特技とかが多いわけではない人であっても、
「これはなんか好き」
「これはやっていて楽しい」
というものが、きっと1つや2つはあるはずです。
それが意外と将来の夢や仕事につながったりします。
例えばですが、
「私は勉強を教えるのが得意だから、将来は学校の先生になりたい」
もちろん、例えばプロ野球選手になる、将棋の名人になる、歌手になるといった、一般に競争率が高く、実現が難しいものであってもかまいません。
夢を思い描くこと自体は自由ですので、ぜひ自分の今の気持ちに正直に表現してみてください。
学校側や先生としても、きっとそういうものを求めているはずです。
③違和感や問題意識から見つける
学校生活を送っていて、もしくは学校の外での体験からでもかまいませんが、
「こういう世の中はちょっと嫌だな」
「こういう人がもっと幸せになれたらいいのに」
みたいな違和感や問題意識を感じたことがあれば、それも将来の夢につながります。
中学時代の私の例で言えば、同じ学年に不登校になってしまった友達がいたり、学年は違いますが、自殺を図ってしまった人もいました。
決して荒れた学校ではありませんでしたが、田舎ということもあり少し排他的な雰囲気のある学校で、当時の担任の先生の口癖は「KY(空気を読め)」でした。
そんな私は、
「自分が先生だったらもっと1人1人と真剣に向き合って、生徒全員が居心地がいいと思えるクラスにしていくのにな」
などと、中学生ながらにして漠然と思っていました。
少し暗い話になってしまいましたが、要はこんな感じです。
将来の夢は必ずしも具体的な職業である必要はありませんし、今はまだ漠然としたイメージでもかまいません。
「こういう世の中にしていきたい」
「こういう人を助けたい」
といった理想も立派な将来の夢になりえます。
補足
将来の夢は、当然ですが現時点でのものでかまいません。
「約束」や「誓い」などと違って、変更してはならないものではありませんし、むしろ自分が成長するに従って変わっていくのが当然です。
「書いた以上はこの通りに生きなければならない」
と思うとなかなか決められませんし、そもそも現時点では漠然としていて当然です。
上記の①~③の方法を使えば、将来の夢は1つや2つはきっと出てくると思います。
ちなみに、これらの方法のまとめとして1つ付け加えると、
・将来の夢は自分がこれまで生きてきた人生から自ずと導き出される
ということです。
そしてそれが将来の夢の「答え」であり、それは誰かから否定されたり、点数をつけられたりする筋合いは本来ありません。
そのため、ぜひ自分に正直に将来の夢を表現してみてください。
もちろん、例えば作文コンクールに応募する場合など、「一般ウケしそうな夢」を書かなければならない場合もあるのかもしれません。
ですが、他人から借りてきた夢だと、今度は具体的なエピソードを交えた文章や、筋の通った説得力のある文章が書きにくくなります。
そのため、仮に高得点狙いや学校の平常点狙いなのだとしても、やはり自分に正直に将来の夢を表現するほうが賢明だと思います。
将来の夢についての作文の構成は?
将来の夢が決まったとして、ではどういう構成で作文を書けばいいのでしょうか?
もちろん、作文に決まった型があるわけではありませんが、やはり文章ということで、
「起承転結」
を一応意識するのがいいでしょう。
以下では、「起承転結」の流れに沿った作文の構成・順番についてまとめてみました。
もちろん、必ずしもこのとおりに書く必要はありません。
①起:将来の夢を宣言
まず最初に、将来の夢をはっきりと宣言してしまうのがいいでしょう。
色々と書いて最後に結論を持ってくる書き方もありますが、なかなか難易度が高いです。
その後にどんな文章が続くのか、予測可能性を高めるためにも、作文の冒頭で将来の夢を宣言してしまいましょう。
具体的な職業名を書く場合、例えば単に「医者になりたいです」と書くより、
「どんな医者になりたいのか?」
を具体的に書くほうがいいです。
一口に「お医者さん」といっても色々な人がいますし、具体的に書いたほうがその後の文章も具体的になりやすいです。
②承:そう思うに至った理由や経緯
続いて、そのような将来の夢を持つに至った理由や経緯について書いていきます。
これは実は、上記の「将来の夢の見つけ方①~③」の内容がそのまま活きるところです。
要は、将来の夢が見つかったとして、その見つかった過程(経緯)を書けばいいのです。
③転:将来の夢を実現する上での「壁」
④結:決意や熱意、意気込み、周りへの影響
将来の夢についての作文の例文(600字~800字程度/400字程度) ※丸パクリはNG
最後に、以上の内容を踏まえた例文を取り上げます。
以下の例文は、決して私の将来の夢だったものを書いたわけではありません。
そのため、やや具体性やエピソード性には欠けるかと思います。
あくまで「上で紹介した構成で書いたらどうなるか?」ということを例文を使って示したものにすぎません。
より具体的な例文、説得力のある例文については、作文コンクールの入賞作品などが参考になるでしょう。
手に入る方はぜひ参考にしてみてください。
私の夢は、患者さんの気持ちや悩みに寄り添えるお医者さんになることです。
そう思ったきっかけは、私が脚の骨折で病院に入院した時でした。病院の先生というと、ちょっとぶっきらぼうで話しかけにくい印象もありましたが、私が入院した時の○○先生は、とても気さくで話しやすい方で、私が部活に参加できず精神的に参っていた時には、親身になって話を聞いてくれて、優しく励ましたりもしてくれました。入院期間が長くなりそうだと分かった時は、先行きも見えずとても不安でしたが、回復までの道のりやリハビリの計画などを丁寧に説明してくれて、本来暗くなりがちな病院生活ですが、明るく前向きな気持ちで過ごすことができました。体の回復には、やはり心のケアも大いに関係しているのだと思います。そんな○○先生に私はとても尊敬の念と憧れの気持ちを抱き、将来○○先生のようなお医者さんになりたいと思いました。
もちろん、お医者さんになることがとても難しいことは百も承知です。まず難関の医学部に合格しなければなりませんし、そのためには進学校にも進学しなければなりません。私の夢を両親に打ち明けたところ、「あんたは勉強も苦手だし、今の成績じゃとても無理だよ」と言われてしまいました。ですが、簡単に諦めるわけにはいきません。
今までずっと将来の夢もなりたい理想の自分像もなかった私ですが、入院の件以来、私は何かに目覚めたように夢中になって勉強に取り組むようになりました。今まで興味がなかった医学の本も読むようになり、夢ができるとこんなにも生活が充実するんだということを、私は初めて知りました。
私は必ず○○先生のようなお医者さんになります。身近な人々からの反対や、夢を実現する上での様々な障壁も、「私の決意が試されているんだ」「お医者さんになるための試練なんだ」と考えて、必ず乗り越えてみせます。
以上の例文は、少し削ればすぐ400字程度にもなるでしょう。
400字~800字程度の範囲内であれば、内容を大きく変えずとも、少し足したり削ったりするだけですぐ指定の文字数には収まるようになるはずです。
▼例文2(400字程度)
私の夢はみんなが笑って暮らせる平和な世の中を実現することです。
昨今、世界では戦争が始まり、たくさんの尊い命が犠牲になっていくのを私はテレビで目の当たりにしました。ここまで便利な世の中になったのに、なぜ人々は未だに争わなければならないのか、私にはとても疑問です。
もちろん、平和な世の中を実現するといっても、今の私には知識も不足していますし、具体的な方策も何も思いつきません。まずは、各国の歴史や国家の成り立ちについて勉強し、なぜ人々は争ってきたのか?を考えるところから始めたいと思います。
また、先日先生にその夢を話したら、「まずは身近なところからだよ」とアドバイスをいただきました。確かに、まずは周りの人との平和、具体的には苦手な友達とも仲良くすることや、悪いところも認めてあげることなどが必要だと思います。
将来の夢を実現するためにも、まずはそうした身近なことから取り組んでいきたいと思います。
抽象的な夢、漠然とした夢であればあるほど、やはり具体性やエピソード性は重要になってきます。
以上の例文は、もちろん丸パクリはNGですが、構成面などはぜひ参考にしてみてください。
今回のまとめ
以上、将来の夢についての作文の書き方・例文についてでした。
色々と書いてきましたが、実は私自身は、あまり将来のことを考えすぎるより、今の学校生活でやるべきことに真剣に取り組んだほうがいいと考えている派です。
ですが、漠然としたものではあっても、やはりなんらかの将来の理想像・イメージくらいはあったほうが、今の生活や勉強の原動力にはなりやすいと思います。
仮に「将来の夢がない」という人であっても、ぜひ今回の記事を参考に、ぼんやりとでも考えてもらえたら嬉しいです。
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