「なかなかどうして」という言葉があります。
日常会話ではあまり使われませんが、本などを読んでいると出てきますし、意味と使い方くらいは知っておきたいところです。
「なかなかどうして」の意味は?正しい使い方は?
「なかなかどうして」の意味は?
「なかなかどうして」とは、「なかなか」と「どうして」が組み合わさった言葉です。
両者とも、
・予想した程度を上回る
という意味の副詞であり、併せて使うことでその意味を強めています。
あえて別の言葉に置き換えるとすれば、
・意外と
・却って(かえって)
などでしょうか。
要は、
・それほどでもないと思っていたが、実際にはそれ以上であったこと
を表しているわけです。
「なかなかどうして」の使い方
以上見てきたように、「なかなかどうして」は、予想していた程度・状態を念頭に置いた上で、それを否定する形で使われます。
◆簡単だと思っていたけど、なかなかどうして(難しい)
◆使いにくいと思っていたけど、なかなかどうして(使いやすい)
◆似合わないと思っていたけど、なかなかどうして(似合ってるじゃないか)
予想していた内容は、実際には口に出さないことのほうが多く、以下のように省略もできます。
◆なかなかどうして、面白いじゃないか
◆なかなかどうして、きれいじゃないか
◆なかなかどうして、広いじゃないか
そもそも、「なかなか」は、漢字で書くと「中中(中々)」であり、程度が高くもなく低くもなく、中くらいであることを意味しています。
何か物事の評価などに困った時に使ってみるといいかもしれません。
ちなみに、文脈によっては、相手の言っていることを一部肯定しつつ、一部否定するニュアンスを含ませることもできるようです。
A:「あの人はとても気が利く人ね」
B:「なかなかどうして…」
「別に否定はしないけど、全面的に肯定もしない」といった感じでしょうか。
「なかなかどうして」の実際
「なかなかどうして」は古くからある言葉ですが、意外と若者にはなじみのないことも多いようです。
そもそも、「どうして」という言葉自体、
・なぜ?
の意味で使われることのほうが圧倒的に多く、
・予想した程度を上回る
というイメージはあまりありません。
そのため、ネットなどでは誤って使われているケースも散見されます。
ただし、上記のとおり、「なかなかどうして」はとても曖昧な言葉です。
そういう意味では、別に間違って使われても支障はないのかもしれませんね。