いざという時に子どもの命を守るため、避難訓練は重要です。
昨今未曾有の大震災が相次ぎ、危機意識の高まりを見せる中、避難訓練の重要性もますます高まってきています。
今回の記事では、そんな避難訓練(小学校)での講評のポイントと例文を取り上げます。
小学校の避難訓練:講評のポイントと例文
避難にかかった時間について
避難訓練では、地震・火災の発生から避難終了までにかかった時間を計測すると思いますが、講評ではまずその時間を伝えましょう。
避難にかかった時間が短ければ短いほど、それだけ救われる命も多くなります。
過去に同じ条件で行われた避難訓練と比較して、今回の時間が早かったのか遅かったのか、またその原因は何だと考えられるか述べましょう。
以下、これらを踏まえた例文です。
今回の避難訓練では、地震・火災の発生から全員が校庭に出てくるまで○○分○○秒かかりました。
これは昨年○○月に行われた訓練より○○秒遅いタイムです。
なぜ○○秒も遅くなってしまったのか、各自よく考えるようにしてください。
避難の際のルールについて
地域によって多少の差異はあるかもしれませんが、避難の際守るべきルールに「お・は・し・も」というものがあります。
それぞれの内容や、なぜそれが必要とされているのかについて確認し、守れていなかった点があれば改善を促しましょう。
避難の際のルール(お・は・し・も)
□お→「押さない」
押すと前の人が転んでしまうので危険。
「ドミノ倒し」のように倒れていってしまうことも。
□は→「走らない」
走ると転んでしまったり、何かにぶつかったりしてしまうので危険。
火事の煙で前がよく見えなくなっていることも。
□し→「しゃべらない」
しゃべると先生の指示や校内放送が聞こえなくなってしまう。
□も→「戻らない」
戻っていると避難が遅れてしまう。
私物などはまた買えばいい。
意外と守ってもらえないのが、「走らない」です。
特に実際の避難では、焦る気持ちがあるとどうしても駆け足になってしまいます。
以下、これらを踏まえた例文です。
▼例文2
避難の際に守るべきルールに、「お・は・し・も」というものがありました。
・「お」は、「押さない」です。
避難の列がなかなか前に進まないと、どうしても押したい気持ちなってしまいます。
避難を急ぐ気持ちはわかりますが、前の人を押すのは非常に危険な行為です。
「ドミノ倒し」になってしまい、多くの人が怪我をしてしまうおそれもあります。
・「は」は、「走らない」です。
火事の煙で前がよく見えない中、走るとつまづいてしまったり、何かにぶつかって怪我をしてしまうおそれもあります。
結果避難も遅れてしまうので、校庭に出るまでは絶対に走らないようにしましょう。
・「し」は、「しゃべらない」です。
おしゃべりをしていると先生の指示や校内放送が聞こえず、どのように避難したらいいのかがわかりません。
おしゃべりはいつでもできます。
補足:「お・は・し・も」以外の注意点
「お・は・し・も」以外にも、避難の際守るべきポイントはあります。
それらを以下に一覧でまとめておきます。
□ハンカチで口を押さえる
火事の煙を吸い込まないように
□姿勢を落として避難する
火事の煙は高いところに集まる
□外靴に履き替えない
履き替えていると避難が遅れる
特に火災も発生している場合、煙を吸い込まないことが何よりも重要です。
できていなかった点があれば適宜指摘し、今後の改善を促しましょう。
避難経路の再確認について
避難経路を再度確認しておくことも必要です。
学年や教室が変われば避難経路は変わりますし、火災が発生した場所によっても変わってきます。
日ごろから避難経路を確認しておくことも重要です。
学年や教室が変われば避難経路も変わるので、年度初めには必ずその教室からの避難経路を確認するようにしましょう。
また、今回の訓練では理科室から火災が発生しましたが、本番ではどこから発生するかわかりません。
さまざまな場合を想定して、どの経路から避難するのが一番安全か、各自よく考えておくようにしてください。
危機意識・防災意識を高める
今回の避難訓練の機会に、今一度危機意識・防災意識を高めておくのも重要です。
過去にその地域で発生した震災の話、今後発生が想定される震災の話などを中心として、地震や火災、津波の恐ろしさ、命の大切さなどを伝えましょう。
今回は訓練だったのであらかじめ予告がありましたが、本番の震災はいつやってくるかわかりません。
私たちの住む地域では、今後○○年以内に○○地震が発生する確率が○○%との予測も出ています。
この機会に再度地震の危険性について認識し、実際に地震が発生したら自分はどう行動するのか、お父さんやお母さんとはどう連絡を取り合うのか、各自準備しておくようにしてください。
以上、小学校の避難訓練での講評のポイントと例文について解説してきました。
今回の記事で解説したポイントを念頭に、当日の避難の様子をよく観察し、当日の様子を踏まえた講評を考えてくださいね。
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